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障害当事者として避難訓練に参加して感じたこと

車椅子で伊勢崎市議会議員の高橋のぶたかです。

 

伊勢崎市の宮郷地区で避難訓練を地域の人たちが主体となって行なうこととなり、要支援者の代表的な存在として障害者の方たちにも参加してほしいとなりました。

宮郷地区外の障害者からも参加を募り、私を含め肢体不自由・聴覚障害・知的障害の方たちとそのご家族、手話通訳を含め20名ほどバリアフリーが完備されている宮郷第二小学校の避難所に集まりました。

地域の方も含め250名くらい集まったかと思います。

 

同時に、宮郷小学校、宮郷中学校でも行なったとのことで、多くの方が参加したと想像できます。


台風19号での教訓から、宮郷地区の防災意識が高くなったそうです。

宮郷地区の方々がやろう!となったことは、本当に尊敬します。

 

19号の教訓から、「受付」を本番さながら行なうことが主な目的だったようです。

今回の訓練でも、ざわざわしながらの受付作業だったので、いざ本番となると空気はさらに緊張感が増すのでしょうね。「受付訓練」をやることは重要ですね。

 

障害当事者の方たちに参加してもらいたいと、地区外からも募ったこと。訓練後に区長さんや防災士の方々が、障害当事者おひとりおひとりから意見を聴く場を設けたこと。

ここまで、我々要配慮者のことを意識しての避難訓練は、初めてで、我々もほんとうに嬉しく、皆目を輝かせながら帰っていきました。


高橋の感想として…

👉宮郷第二小学校は完全バリアフリーでしたが、一般のバリアのある小学校だと、皆パニック気味になっているかもしれないことを想像すると行くことを躊躇してしまうかもしれません。

(出入口の段差・トイレ・手洗い場・居る場所やベッド・空調など)

同時に、避難所のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化は、重要に感じました。

※バリアは、大きく分けて4つあると言われています(1.物理的 2.制度的 3.文化・情報 4.意識上)

 

👉黄色の要支援者用バンダナは、一目で分かり大切だと思いました。周りも座っている人が多く、車椅子も目立たないため。

 

👉一般の人たちと要支援者が、一緒になって訓練したため相互理解が増したと思います。知らない人同士でも、話し合ったりしていた人たちが多かったことは、素晴らしく感じました。

 

👉聴覚障害の方が、筆談ボード以外に簡単なイラストが並んでいるコミュニケーションボードがあるといいとおっしゃっていました。あと、大きな文字やピクトグラムなど目からの情報の充実を要望していました。

多くの人がいる雛所内では、健聴者の我々も、それらがあるといいと感じました。

 

👉知的障害の方たちからは、我々が地域にいることを少しでも知ってもらえて良かったとおっしゃていました。

広い空間、狭い空間、騒がしいなど状況によって対応も個人個人で変わることも、知っておいていただきたいとも、おっしゃっていました。


この宮郷第二小学校にある防災倉庫でも、段ボールベッドはなく、避難用テントも12張りしか常備していないとのことです。電気やスマホの充電も実際にはどうなるか分かりませんし。

 

様々な事を考えると、体育館での避難所というのは、課題があるのも事実で、特に重度な要配慮者にとってはハードルが高いということも再認識できました。


現実に「障害者」は、日頃からあまり頼りにされないものです。

しかし、今回のように、頼りにされ、避難訓練の参加依頼をいただき、終わった後に感想を聞かせてくれ、と頼りにされることが、スゴく嬉しい。

と感じる障害者やそのご家族は、多いんだということを皆さんには知っていただきたいです。

実際に、地区外から20名近く参加したってのが、何よりの証拠です。

 

この世の中は、まだまだ良くなれます。

「お互いが頼りあい、交流することで可能性は無限大になる。」ということを実感した1日でした。

私も、もう少し人を頼りたいです。

 

宮郷地区の方、市の職員の方、メディアの方、障害者仲間に感謝します。

ありがとうございました!

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コメント: 2
  • #1

    山﨑和美 (月曜日, 25 11月 2024 15:22)

    避難訓練では大変お世話になりました。連取町防災アドバイザーの山﨑です。

    娘さんに知的な障がいがあるお母さんとお話ししました。体育館の空間は人と人との距離があり、狭い空間よりも安定して過ごせたこと。そしてAED講習が始まるととても興味を持っていたことなど、私たちが気づくことのなかったお話を教えて下さいました。

    あの日、彼らは支援される側という設定でしたが、彼らの笑顔や私たちを楽しませてくれた会話から、支援する側でもあるな‥と感じていました。
    次回は地域の人と一緒に活動をしていただけたら〜とも。またアドバイスをお願い致しますね�

  • #2

    高橋 のぶたか (水曜日, 27 11月 2024 14:03)

    山﨑さん、大変貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。
    気付きや支援するされるとかの固定的な概念も、考える機会になりますよね。
    今回のように、多様な人たちで一緒に何かをやるってことが、共生社会をつくっていくうえで、大切なポイントだと思いますね。
    宮郷モデルを、少しずつでも広がっていけるといいですね。
    私も、より意識して活動していきますので、山﨑さん今後ともよろしくお願いします!