車椅子で伊勢崎市議会議員の高橋のぶたかです。
障害者権利条約の審査・総括所見を活用した国内法制度整備事業 タウンミーティングinぐんま 【公益財団法人キリン福祉財団助成事業】が盛会に開催されました!
DPIでは、キリン福祉財団から助成を受けて、今年度より「障害者権利条約の審査・総括所見を活用した国内法制度整備事業」を展開しています。
この事業は、国連障害者権利委員会から出された総括所見を実際の法制度の立案、改善に活用していけるようにするために、総括所見の指摘内容について整理、分析し、取り組み課題の明確化を図ります。
そのうえで、総括所見の意義やその内容について、障害者団体をはじめとする市民社会に広く共有するための普及啓発を行います。この取り組みを通じて国や自治体レベルにおける法制度の改善に結び付けていくものです。
総括所見の意義やその内容について、障害当事者だけなく一般市民や議員など幅広く普及啓発を図るためのタウンミーティングを、群馬県で開催されました。
日時:2023年2月5日(日) 13:00~16:30(予定)
場所:Gメッセ群馬
〒370-0044 群馬県高崎市岩押町12番24号 302中会議室
開催方法:対面形式
※参加は会場参加のみになります、オンラインでのご参加は出来ません。アーカイブ公開はしておりませんので、その点もご了承ください。
対象:どなたでも参加できます
情報保障:手話通訳、PC要約筆記、その他情報保障(点字、データ資料等)あり
参加費:無料(事前申し込み制)
※駐車場をご利用の方は、駐車料金はご負担ください(1時間100円、最大料金500円)。
プログラム(敬称略、一部調整中)
開会
開催団体挨拶
佐藤 聡(DPI日本会議事務局長)
東京都内でエレベーターが完備された駅は、30年前は0%。今は95%が完備されている。この国は、やろうと決めたらやれる国なのですというお話しは、希望と勇気を与え、会全体が前向きな話し合いになったご挨拶でした。
開催団体挨拶
山本 一太(群馬県知事)
障害者権利条約の2つのポイント「オートノミー(自律)」と「インクルージョン(包含)」は、私が知事になって2年目に策定した群馬県の総合計画(県の最上位計画)の目指す姿で「年齢や性別、国籍、障害の有無等に劣らず、すべての県民が、誰一人取り残されることもなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる自立型の社会」と謳っていることと同じなので、推進していくとおっしゃってくれました。
会場は拍手喝采でした。同時に、これほど国際感覚を持っている知事はいるのだろうか。山本知事が誕生したとき、多くの課がカタカナになり一時期県民もついて行けなそうになったことを思い出しました。
障害者やマイノリティーの施策を推進しようとするとき、「福祉」を前面に押し出す傾向にありますが、その1分野では民意は得られにくいことを私も市議として痛感して参りました。
今の群馬県なら、障害者権利条約の推進を力強くできるのではないかと感じました。
開催団体挨拶
松本 基志(インクルーシブぐんま準備会顧問/群馬県議会議員)
この会の前進となる2017.2.18障害者フォーラムin高崎市総合保健センターの会場の手配などで動いてくださった松本県議(当時は高崎市議)が、挨拶する姿を観れたことにこみ上げてくるものがありました(私だけかな笑)。
高崎市、群馬県の紹介もご丁寧にしてくれました。
助成団体挨拶
大島 宏之(公益財団法人キリン福祉財団常務理事・事務局長)
参加が叶わず、代読となりましたが、キリン福祉財団様には、毎回大変お世話になっています。より、推進していかなくてはと力が入りました。
来賓ご挨拶
笹川博義(衆議院議員/障害者権利条約推進議員連盟事務局長)
条約に批准し、審査を受け、総括所見からどのようにするか。ここまで、これたのも議連の事務局長である笹川先生のお力には感謝していますし、群馬県民であることにも頼もしさを感じます。
特別報告(13:30)
「第1回対日審査(建設的対話)参加報告」(仮)参議院議員 舩後 靖彦
ALSにより気管切開をして声を出すことができなくなった舩後議員が、音声読み上げにより報告していただけたと。その姿をリアルで聴けたことは大変意義のあることでした。
課題や提言なども丁寧に紹介していただけたことで、会場内のみんなの意識が統一できたと感じました。
そして、昨年8月の国連ジュネーブでの対日審査に、実際に行かれた国会議員は、舩後議員ひとりです。最重度な舩後議員は、渡航中に万が一のことが起こり命を落とすかもしれないという覚悟で行かれたことと思います。舩後議員と木村議員の最重度な国会議員が誕生したことで、福祉サービスの問題点も国民的に知れ渡ったりと大きな成果を他にもたくさん残されていますが、市や県、国とも意識を共有しながら私も条約の推進の活動をして参りたいと思っています。
基調報告(14:00)「国連障害者権利委員会 日本政府に対する総括所見の内容」
認定NPO法人DPI日本会議 議長補佐 崔 栄繁
崔さんも、実際にジュネーブでの対日審査でのこと、帰国後の日本の対応と今後の展開について分かりやすく説明してくださいました。
日頃かtら、日本の障害者施策や国連の10の人権条約に批准している日本の状況も踏まえながらの現状説明は、よく分かりました。
休憩(約10分)
シンポジウム (14:40)
「総括所見を群馬で生かすためにー地域移行とインクルーシブ教育を考える」
シンポジスト
田中 正博(全国手をつなぐ育成会連合会専務理事)
高橋 淳(群馬県健康福祉部障害政策課課長)
小川 晶(群馬県議会議員/インクルーシブぐんま準備会)
小国 喜弘(東京大学大学院教育学研究科教授)
高橋 宜隆(伊勢崎市議会議員)
コーディネーター: 崔 栄繁
田中 正博(全国手をつなぐ育成会連合会専務理事)
田中専務理事からは、地域移行につい地域生活支援拠点事業」の重要性をおっしゃっていました。伊勢崎市でも面的整備が策定されていますが、面的整備が主流となっていると思いますが、地域にある障害者が利用できる施設や相談所、事業者など連携体制を構築し、面的に支えていこうという考えで、地域包括ケアの障害者版みたいな感じの整備がまずは重要とおっしゃっていました。
高橋 淳(群馬県健康福祉部障害政策課課長)
高橋淳障害政策課長からも、地域移行についてや障害政策課の事業の内容や県内の障害者の人数など紹介していただき、概要を知ることができました。そして、国内の障害者施策や法整備が目まぐるしく変わる現代において、実際の社会との差が大きいことを感じていることをおっしゃってくれていました。
県民と行政と分けずに、オールぐんまで進めていかなければと感じました。
小川 晶(群馬県議会議員/インクルーシブぐんま準備会)
小川県議からも、地域移行についてで、強度行動障害の状況や日頃から当事者やご家族との交流を通しての現実的な大変な状況をどのように解消していくべきかなどのご意見を頂き、身近に感じられたのではないでしょうか。
小国 喜弘(東京大学大学院教育学研究科教授)
小国先生からは、インクルーシブ教育についてでした。Zoomでは司会者として拝見は何度もしていて、大変にこやかな方だなと感じていました。
しかし、私の横で大変熱心に語られていました。考え方、推進の仕方、今後の展開などのとても力強い内容で圧倒されました。今すぐにでもインクルーシブ教育ができると感じさせられました。
私もインクルーシブ教育に大きな関心を持っていますので、小国先生をこれからチェックしていきたいと思いました。
高橋 宜隆(伊勢崎市議会議員)
小国先生の熱いご説明に、まんまと気持ちを切り替えさせられてしまった私は、ぶっちゃけ話しや多少の絵空事も申し上げました。少し、オーバーぎみに話すことで分かりやすくなるかなと意図も
ありました。
そして、「インクルーシブ教育」や「インクルーシブ」というイメージが、人それぞれ多少異なっていることが多いので、その方向性をみんなで今後も考えていければというお話しをさせて頂きました。
閉会
閉会の挨拶:白井 誠一朗(DPI日本会議常任委員)、鈴木 敦子(群馬県議会議員/インクルーシブぐんま準備会)
2年前に高崎で行った映画上映会に続き、白井さんのハスキー声が聞けたことは、やっぱり嬉しかったですね。これぞ、ザ・DPIって感じです。
そして、鈴木県議は、想いが積もるものがあるのでしょう。後でゆっくりと聞きたいです。
2016年4月1日の障害者差別解消法施行記念&群馬県手話言語条例1周年記念パレードin群馬県庁周りの当時は鈴木さんは毎日新聞の記者で、偶然パレードをやっていたので取材したとおっしゃっていました。縁を感じます。
司会
木暮 奈央(ココフリ群馬代表/インクルーシブぐんま準備会)
佐藤 聡 (DPI 日本会議事務局長)
木暮さんの司会も、前回に引き続きでスムーズな進行でした。ココフリ群馬の紹介と車椅子でもできる上毛カルタの展示もしてくださいました。
佐藤事務局長のサポートもさすがでした。
開催団体:
◇主催:(認定NPO法人)DPI日本会議
◇共催:群馬県
◇後援:全国手をつなぐ育成会連合会
◇協力:インクルーシブぐんま準備会
◇助成:公益財団法人キリン福祉財団
国連の障害者権利条約に2014年に日本が批准してから、初めての審査が2021年8月にジュネーブで行われ総括所見が出されました。
90を超える勧告のうち、14条の精神科病院(病床数の多さ、長期入院など圧倒的な世界一)・19条の地域移行(地域に暮らしていない障害者が依然多い、脱施設化不足)・24条の教育(特別支援学級、特別支援学校という分離教育システムは差別を生んでいる)の3つの部分が特に多く指摘されています。この3つの共通点は「分けている(分離)」です。
以前、日本語の理解が不足している外国人の子どもが特別支援学級に所属されている傾向が多い自治体があるとの新聞記事がありました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220228/k10013490711000.html
この記事にふれたとき、私は違った見方をしました。外国人の子どもが特別な学級に行くのは問題だけど、障害のある子どもは行くのが当たり前。障害のある子どもは、特別な子なので、一般の子どもと異なる特別な学級に行くことが当たり前。その分けることに国民が違和感を感じていないことに危機感を感じました。
最近の調査では、発達に障害のある子が8.8%いると報道もありました。また、分けた方がいいという解決方法を選んでいくのでしょうか。
不登校も増えており、令和3年度の全国の中学生の不登校率は5.0%となりました。不登校とは、経済的理由・病気などの理由以外で1年間で30日以上休んだ場合ですので、それ未満のいわるゆ不登校傾向といわれる子を含めると、おそらく10%位になるのではないでしょうか。
短期的には、適応指導教室やフリースクールなどの受皿を増やしていくことが大切かもしれませんが、根本的には通常学級に誰もが通える、通いたくなる学校教育システムの変革が求められているのではないでしょうか。
今までの、画一的な教育から、個別化された子どもたちが主体的な学びへと変える。そして、学校は社会の縮図でありますので、障害のあるというだけで分かるということをしない。
最初の分離は一生の分離と言われるように、分けるから、相手のことが分からず偏った見方(偏見)が生まれてしまう。
誤解のないように、現状の通常学級に障害のある子を入れるのは、私も反対です。障害のある子を通常学級に入れても問題のないように、通常学級ものもののシステムを見直し、変えていきましょう。そして、受皿の広い通常学級を作ってから障害のある子も安心して入ってもらいましょうということです。
テストばかりや、宿題とか見直したり、1学級の生徒数も減らすとか、先生の多忙化など変えるところはたくさんあります。イヤイヤながらでなく、楽しいから行きたいというシステムになれば不当公立も減少するでしょうし、外国人の子ももっと通いやすくなるのでは。
誰もがというのが、インクルーシブですから、「共生社会」とか「1億総活躍社会」と同じだと思います。
イラストのインクルーシブだけ、男女が整列していませんよね。ここがポイントだと思います。
東京2020オリパラのスローガンは「ダイバーシティ&インクルージョン」でした。
この国は、みんなが?と思い、気付けば変われます。1億2千万人もいるのに、「人手不足」とどこでも言っています。そろそろ、気付きましょうかね。
今回は、多くの団体や個人の方々が関わり、150名を超える集会を開催することができました。今回のつながりを大切にして、仲間を増やしインクルージョンを推進して行けたらと思いますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
2016年4月1日群馬県庁周りパレードに参加した群馬県立伊勢崎興陽高校福祉系列の生徒たち。世代が変わりましたが、今の福祉系列の生徒達十数名と先生が、今回もボランティア兼参加者として来てくれました。これほどの縁は本当に大切にしていきたいことと思います。
私のPCの待受画面は、実はその当時のです。その当時は、私は市議会議員ではなく、一市民、一当事者でした。
参考
2016年4月 1日:障害者差別解消法施行記念&群馬県手話言語条例1周年記念パレードin群馬県庁周り
2017年2月18日:障害者フォーラムin高崎市総合保健センター
2021年3月21日:インクルーシブぐんまフォーラムin高崎アリーナ
今までのつながり、そして新しいつながり。次世代をになう若い方ともつながれたことも大きな収穫でした。
みなさん、これからもよろしくです。
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